2026年8月4日時点。この記事は、2028年の次期参院選までを見通した予測に対する、最初の中間採点である。
2026年2月10日、衆院選直後に私は、「2026年2月衆院選で与党圧勝、参院では国民民主党と協力し、立憲民主党はますます先鋭化へ」という記事を書いた。
そこで使った言葉が、「選別ねじれ」だった。
衆議院では与党が圧倒的多数を持つ一方、参議院では自民・維新だけで過半数にわずかに届かない。この組み合わせは、野党が結束して法案を止める従来型のねじれではなく、与党が案件ごとに協力相手を選べるねじれになるのではないか――という予測である。
元記事は2028年の参院選までを対象にした3年予測なので、まだ最終的な答え合わせではない。ただ、選挙後最初の第221回特別国会が7月25日に閉会し、国会運営と野党再編の双方でかなり材料がそろった。
先に結論を書くと、次のようになる。
- 「選別ねじれ」という構造予測は、かなり当たった
- 衆院再可決を常用せず、参院内で多数派を作るという予測もおおむね当たった
- 国民民主党を基本パートナーにするという予測は、半分外れた
- 正確には、特定の基本パートナーそのものが存在しなかった
- 立憲民主党の単純な純化・左傾化は、現時点では保留
- むしろ公明党を媒介とする中道野党の再結集が動き始めている
以下、順番に答え合わせをしていく。
- 1. まず、第221回特別国会では何が通ったのか
- 2. 2月時点では何を予測していたのか
- 3. 「選別ねじれ」は実際に起きた――判定は「的中」
- 4. 衆院再可決は「見せて、使わずに通す」――これもおおむね的中
- 5. 外れたのは「国民民主党が軸になる」という部分
- 6. ただし「国民民主の力は拒否権ではなく成果獲得力」は当たった
- 7. 小会派・無所属・参政党のスポット協力――予想以上に当たった
- 8. 予想外の大きな勝者は日本維新の会だった
- 9. 立憲民主党は先鋭化したのか――現時点では「保留、要修正」
- 10. 実際に進んだのは、公明党を媒介とする中道野党の再結集だった
- 11. 答え合わせを表にするとこうなる
- 12. 予測モデルを更新するなら「国民民主軸」ではなく「協力相手のポートフォリオ」
- 13. 次の答え合わせは、国会運営より経済・財政になる
- おわりに――当たったのは政党名ではなく、国会の構造だった
- 参考資料
1. まず、第221回特別国会では何が通ったのか
予測の採点に入る前に、そもそも先の国会がどのような国会だったのかを簡単に振り返っておきたい。
第221回特別国会は、2026年2月18日から7月25日まで開かれた。政府が提出した法案64本はすべて成立した。
成立した案件の範囲は広い。
経済・生活
- 2026年度予算
- 所得税法・地方税法などの税制改正
- 高校授業料支援
- 健康保険制度の改正
- 産業競争力や地域公共交通に関する制度改正
国家機構・安全保障
- 国家情報会議の設置
- 防災庁の設置
- 防衛省の体制整備
- 経済安全保障関係の制度改正
- 入管法改正
長く揉めてきた制度課題
- 皇室典範等の改正
- 再審制度に関する刑事訴訟法改正
- 副首都法
もちろん、すべての政治課題を片付けたわけではない。政治資金規正法改正、企業・団体献金を含む政治資金制度、衆院定数削減などは閉会中審査として残った。
それでも、防災、インテリジェンス、安全保障、教育、外国人政策、皇室制度、副首都と、通常なら一つずつでも主要争点になり得る案件を一つの国会でまとめて処理した。
個々の法案の内容や審議の進め方への評価は別として、参院で与党が過半数を持たないから国会が止まった、とは到底いえない国会だった。
では、参院で足りない票をどのように調達したのか。
ここからが「選別ねじれ」の答え合わせになる。
2. 2月時点では何を予測していたのか
元記事の主張を圧縮すると、次の5点だった。
- 衆院の再可決はできるが、乱発すれば政治的正統性を消耗する
- そのため、普段は参院内で案件ごとの多数派を作る
- 基本パートナーは国民民主党になる
- 小会派・無所属・参政党を案件別に混ぜる
- 政策決定から遠ざかる立憲民主党は、参院主導で純化・左傾化しやすい
中核にあったのは、次の見立てである。
この議席構造は、野党に「止める力」を与えるのではなく、与党に「協力相手を選べる力」を与える。
この構造認識は、実際の採決を見る限り、かなり正しかった。
一方、どの政党が選ばれ続けるかについては修正が必要になった。
3. 「選別ねじれ」は実際に起きた――判定は「的中」
代表的な採決を並べると、政権が法案ごとに別の多数派を作っていたことがよく分かる。
| 案件 | 参院での結果 | 国民民主 | 公明 | 参政 | 多数派の特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度本予算 | 126対119 | 反対 | 反対 | 反対 | 自民系・維新に、日本保守、みらいの一部、無所属を加えて成立 |
| 国家情報会議設置法 | 187対58 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 国民、公明、参政まで含む広い多数派 |
| 2026年度補正予算 | 148対94 | 賛成 | 反対 | 反対 | 国民民主を加えて成立 |
| 副首都法 | 123対121 | 反対 | 反対 | 反対 | チームみらい2人と無所属3人を加え、一票差で成立 |
本予算では、国民民主、公明、参政がそろって反対した。それでも、自民系101、維新19に、日本保守党2、チームみらい・無所属の会の1人、無所属3人を足して126票を作った。
国家情報会議設置法では逆に、国民民主25、公明21、参政15が全員賛成し、187対58の大差となった。
補正予算では、国民民主が賛成に回った一方、公明と参政は反対した。
そして副首都法では、国民民主、公明、立憲、参政、日本保守、共産、れいわなどが反対する中、自民系99と維新19に、チームみらい2、無所属3を足して123票を確保した。反対は121票だった。
これは、まさに2月に書いた、
「大連立」が必要なねじれではなく、「案件ごとに調達できるねじれ」
そのものだった。
ただし、実際の運用は予想以上に徹底していた。
与党は一つの野党との準固定的な協力関係を作ったのではない。法案ごとに、政策距離、必要票数、修正コスト、政治的な見え方を比較し、その都度もっとも使いやすい多数派を組み立てた。
野党がキャスティングボートを握ったというより、政権側が複数の「キャスティングボート候補」を持っていたのである。
4. 衆院再可決は「見せて、使わずに通す」――これもおおむね的中
元記事では、衆院再可決について次のように書いた。
再可決は最終手段。通常は参院で可決して成立させる。
勝ち筋は「押し切る」ではなく、「押し切れるけど押し切らない」を運用することにある。
少なくとも主要法案については、この通りになった。
本予算、国家情報会議設置法、皇室典範改正、副首都法などは、参院内で必要な票を確保して可決した。再可決を常用して、参院を事実上無視する運営にはならなかった。
これは、衆院の巨大多数が無意味だったという話ではない。むしろ逆である。
最終的には衆院で押し切れるという背景があるからこそ、野党側は、
- 完全阻止を目指す
- 修正や附帯決議を取りに行く
- 賛成して政策成果に参加する
- 反対して独自性を示す
のどれを選ぶか迫られる。
衆院再可決は、実際に撃つ武器というより、交渉の前提となる背景戦力として効いたと見るのが自然だろう。
ただし、これをもって「丁寧な合意形成型の国会だった」とまではいえない。副首都法は一票差であり、立憲民主党が提出した修正案7本はすべて否決された。
それでも、制度上の最終手段を連発せず、参院内で法案ごとの多数派を作るという運用予測は当たった。
5. 外れたのは「国民民主党が軸になる」という部分
元記事で最も明確に外したのはここだ。
私は国民民主党を、
与党にとって一番「常用しやすい橋」
と表現し、2028年までの本命シナリオを「国民民主軸の安定運用」とした。
実際、国民民主党は常用しやすい橋の一つではあった。
- 国家情報会議設置法には賛成
- 補正予算には賛成
- 入管法改正には賛成
- 皇室典範改正には賛成
安全保障、国家機構、機動的な経済対策などでは、政策距離も比較的近かった。
しかし、その橋は常設ではなかった。
- 本予算には反対
- 副首都法には反対
それでも法案は成立した。
したがって、正しい説明は、
国民民主党を軸に、ほかの政党を補助的に使った
ではない。
そもそも固定的な軸を作らず、国民民主、公明、参政、小会派、無所属を案件ごとに使い分けた
である。
元記事のシナリオでいえば、本命とした「国民民主軸の安定運用」より、第二候補だった「公明の動きが読めず、案件ごとに調達」の方が近かった。
しかも実際には、「国民民主+小会派」を基本形にしたわけでもない。国家情報会議では国民・公明・参政をまとめて使い、本予算ではその3党を全部外し、副首都法ではチームみらいと無所属だけを足した。
つまり政権が持っていたのは、一本の橋ではなく、複数の橋から案件ごとに選べるポートフォリオだった。
6. ただし「国民民主の力は拒否権ではなく成果獲得力」は当たった
一方、国民民主党の交渉力について、
法案を止める力ではなく、修正や成果を引き出す力に寄る
と書いた部分は、おおむね維持できる。
国民民主党が反対した本予算も副首都法も、別の票を集めて成立した。したがって、国民民主党には、
自分たちが反対すれば法案そのものを廃案にできる
という意味での拒否権はなかった。
国民民主党が持っていたのは、
自分たちと組めば、より安定した票差で、穏当な形で成立させられる
その代わり、政策修正や目に見える成果を要求できる
という力である。
ただし、その価格には上限がある。
条件を高くしすぎれば、政権は公明、参政、小会派、無所属へ向かう。国民民主党は重要な協力相手ではあっても、不可欠な協力相手ではなかった。
この意味で、2月時点の予測は、
- 「国民民主が基本パートナー」:外れ
- 「国民民主の交渉力は拒否権ではない」:当たり
と分けて採点すべきだろう。
7. 小会派・無所属・参政党のスポット協力――予想以上に当たった
元記事では、国民民主を基本にしつつ、
- 小会派・無所属を数合わせに使う
- 参政党を経済安保、入管、価値観争点でスポット的に使う
と予測した。
固定軸を国民民主とした点は外れたが、スポット協力という見立て自体はかなり当たった。
参政党は国家情報会議設置法では15人全員が賛成した。しかし、本予算、補正予算、副首都法では反対した。
つまり、参政党は恒常的な与党補完ではなく、国家機構や安全保障など、政策的に一致する領域でのみ加わる案件別パートナーだった。
さらに象徴的だったのが、副首都法である。
主要野党が軒並み反対する中、最後に必要だった5票を、チームみらい2人と無所属3人から確保した。小会派や無所属の価値は常に高いわけではない。しかし、与党の不足票が数票しかない局面では、その価値が一時的に跳ね上がる。
副首都法は、「選別ねじれ」を説明するために作られたような採決だった。
8. 予想外の大きな勝者は日本維新の会だった
国会運営の答え合わせとは少しずれるが、第221回特別国会の政治的な勝者として、日本維新の会は外せない。
大阪府・大阪市は2015年に副首都推進本部会議を設置し、2017年に副首都ビジョンを策定した。そこから約10年を経て、国の法律として副首都の整備を進める枠組みが成立した。
大阪が法律成立と同時に自動的に副首都へ指定されたわけではない。それでも、自治体と一政党の構想だったものを、国の制度として具体化する入口を作った意味は大きい。
維新から見れば、これは一国会分の成果というより、10年分ほどの政策成果を一度に獲得したに近い。
また、高市政権側から見ても合理的な取引だった。
維新に、閣僚ポスト以上に説明しやすい政策成果を渡す。その代わり、本予算から主要法案まで、参院19票の安定した基礎票を得る。
その上で、不足分だけを国民民主、公明、参政、小会派、無所属から調達する。
「選別ねじれ」が機能した前提には、まず自民と維新の120票前後が固まり、あと数票だけを探せばよいという構造があった。
9. 立憲民主党は先鋭化したのか――現時点では「保留、要修正」
元記事の後半では、衆院側の中道勢力が弱まり、参院立憲が政策決定から排除されることで、立憲民主党は純化・左傾化しやすいと予測した。
この予測を支える材料は、一部すでに出ている。
立憲民主党は、
- 本予算
- 補正予算
- 国家情報会議設置法
- 入管法改正
- 皇室典範改正
- 副首都法
など、政権の目玉案件で反対に回った。
また、立憲民主党が参院に提出した法案6本はすべて成立せず、提出した修正案7本もすべて否決された。元記事で想定した「政策参加できない最大野党」という圧力は、確かに発生している。
ただし、ここから直ちに「何でも反対する先鋭化政党になった」と結論するのは無理がある。
立憲民主党自身の集計によれば、政府提出法案64本のうち55本に賛成し、条約12本にはすべて賛成した。衆院議員立法も含めた全体の賛成率は83.7%だった。
つまり実態は、
目玉となる政治争点では政権と強く対決する
一方、通常の実務法案には広く賛成する
というものだった。
対決色は強まったが、国会実務まで全面拒否へ移ったわけではない。
したがって、「政策決定から排除される圧力」は当たったが、「その結果として単純に純化・左傾化する」という因果は、現時点では確認できない。
この項目は外れと断定するより、保留しつつモデルを修正するのが妥当だろう。
10. 実際に進んだのは、公明党を媒介とする中道野党の再結集だった
2月時点で十分に織り込めていなかったのは、公明党の役割である。
元記事では、公明党について、
与党補完として戻るのか、第三極として独自性を取るのか読みづらい
と書いた。
投票行動を見る限り、公明党は固定的な与党補完には戻らなかった。
- 国家情報会議設置法には賛成
- 本予算には反対
- 補正予算には反対
- 副首都法には反対
国民民主党とも一致したり分かれたりしており、案件ごとに独自判断をしている。
さらに、国会閉会後には、中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党が組織課題を協議し、「臨時国会には新しい体制で臨む」として、8月末までの結論を目指す動きに入った。新党を一から作る方式だけでなく、いずれかの党を残す「存続合併」まで検討されている。
したがって、野党側で現時点までに起きたのは、
参院立憲が単独で左へ純化する
という一直線の動きではなく、
公明党を接着剤として、衆院の中道改革連合と参院立憲をもう一度まとめ直そうとする動き
だった。
もっとも、これはまだ完成していない。
元記事で書いたように、政策、意思決定文化、地方組織、支持基盤が異なる以上、合流過程や合流後に摩擦が生じる可能性は高い。2028年までの最終的な答え合わせでは、この再編が本当に一つの政治勢力として定着するかを見る必要がある。
現段階でいえるのは、「立憲の純化」より先に、「中道野党の再集結」が始まったということだ。
11. 答え合わせを表にするとこうなる
| 2026年2月時点の予測 | 判定 | 2026年8月時点の評価 |
|---|---|---|
| 与党が協力相手を選べる「選別ねじれ」になる | ◎ | 法案ごとに多数派が入れ替わった |
| 再可決を温存し、普段は参院内で成立させる | ○ | 主要法案は参院内で票を作って成立 |
| 国民民主党が基本パートナーになる | △ | 有力な一候補だが、固定軸ではなかった |
| 国民民主の力は拒否権より成果獲得力 | ◎ | 反対しても別ルートで成立した |
| 参政党は案件別パートナーになる | ○ | 国家情報会議では賛成、予算・副首都では反対 |
| 小会派・無所属の価値が上がる | ◎ | 副首都法で5票が決定的になった |
| 公明党は独自ブロック化し得る | ○ | 固定協力を避け、中道再編の結節点になった |
| 立憲民主党が純化・左傾化する | △・保留 | 目玉案件では対決したが、政府法案の大半には賛成 |
| 与党は強いが孤立する | △ | 目玉争点では対立したが、通常法案では広い賛成を得た |
構造予測はかなり当たった。
一方、政党配置の予測は、国民民主党を買いかぶり、公明党と小会派の可変性を過小評価していた。
12. 予測モデルを更新するなら「国民民主軸」ではなく「協力相手のポートフォリオ」
2月の記事を書き直すなら、国会運営のモデルは次のようになる。
旧モデル
- 自民・維新だけでは参院過半数に数票足りない
- 国民民主党を基本パートナーにする
- 参政党、小会派、無所属を例外的に使う
- 再可決は最終手段として温存する
更新後のモデル
- 自民・維新で、成立に必要な票の大部分を固定する
- 国民民主、公明、参政、小会派、無所属から、案件ごとに協力相手を選ぶ
- 一つの野党に固定的な拒否権を持たせない
- 協力の対価は、修正、附帯決議、政策成果として個別に支払う
- 衆院再可決は、参院交渉を支える最後の保険として残す
この違いは大きい。
国民民主党との部分連立に近い運営なら、国民民主党が政権の政策形成に継続的に関与し、準与党的な責任を負う。
しかし、実際に起きた案件別多数派では、どの野党も、
- ある法案では与党と組む
- 別の法案では反対する
- 反対しても、別の党に通される
という立場になる。
これは政権を安定させる一方、野党再編を難しくする。
各党には「野党として一つにまとまる」動機と同時に、「政策が一致する案件では政権と組んで成果を取る」動機が残るからだ。
逆にいえば、中道・立憲・公明の再編は、この選別される構造から抜け出し、まとまった交渉単位を作ろうとする反応とも読める。
選別ねじれは、与党の国会運営方式であるだけでなく、野党を分断し、同時に再編を促す制度環境でもある。
13. 次の答え合わせは、国会運営より経済・財政になる
第221回特別国会で、高市政権は制度として法律を通せば一区切りつく課題をかなり処理した。
安全保障、インテリジェンス、防災、皇室制度、副首都などは、今後も予算・人事・行政運用を積み上げる必要があるが、少なくとも制度の骨格は前へ進んだ。
次の焦点は、より継続的で、党内対立も大きい課題になる。
- 経済政策と財政運営
- 減税、税制、社会保険料
- 政治資金・定数削減などの政治改革
- 旧姓使用の法制化
- 外国人政策の具体化
このうち最大の本丸は、やはり経済・財政だろう。
ここでは、参院であと数票を集めれば終わるわけではない。自民党税調、政調、財務省、社会保障制度、予算編成、市場との関係を同時に組み替える必要がある。
最初の国会で証明されたのは、高市政権が参院の票を組み立て、法案を成立させる能力だった。
次に問われるのは、その国会運営能力を、
生活実感の改善
負担増に依存しない財政規律
成長投資と税収増
社会保障の持続可能性
へ変換できるかである。
ここから先は、野党との攻防以上に、自民党内部の経済・財政観をめぐる攻防が政権の成否を左右する可能性が高い。
おわりに――当たったのは政党名ではなく、国会の構造だった
2026年2月の記事の核心だった「選別ねじれ」は、想像以上に露骨な形で現実になった。
しかし、それを動かしたのは、国民民主党との固定的な協力ではなかった。
国民民主党が一番常用しやすい橋になる
という予測に対する答えは、
政権は一つの橋を常用せず、複数の橋から案件ごとに選んだ
だった。
国民民主党は重要だが不可欠ではない。公明党も参政党も、固定的な与党補完ではない。小会派と無所属は、数票が必要な場面で突然大きな価値を持つ。
立憲民主党についても、政策決定から遠ざかる圧力は生じたが、単純な純化へ一直線に進んだわけではない。むしろ公明党を媒介に、中道野党の再結集が始まった。
したがって、現時点での答え合わせはこうなる。
「選別ねじれ」は当たった。
ただし、国民民主軸ではなかった。
そして野党は単純に先鋭化するのではなく、選別される構造への対抗として再編を始めた。
次の答え合わせで見るべきなのは、高市政権がこの国会運営能力を経済・財政政策の成果へ変えられるか。そして、中道・立憲・公明の再編が、実体のある対抗軸へ育つかである。