しろけの備忘録ブログ

アラサーITエンジニアが何かしらのネタを書き殴るブログ

2026-01-01から1年間の記事一覧

山形屋の再建は、私的整理では終わらない――次に立ちはだかる本店老朽化問題

はじめに 前回の記事では、山形屋が「守るために借り、返済に詰まり、自由を失った」過程を書いた。 山形屋を守るために借り、返済に詰まり自由を失った――名門百貨店を縛る360億円の請求権 約360億円まで膨らんだ負債。事業再生ADR。DESとDDS。5年間の返済猶…

山形屋を守るために借り、返済に詰まり自由を失った――名門百貨店を縛る360億円の請求権

もう20年ほど前になる。鹿児島市内のある女子中学生が、学校の制服を買いに行かされる週末を前に、周囲にこう漏らしたという。 「山形屋に買いに行かないといけないのが、嫌だ」 どこにでもありそうな、子どもの愚痴である。けれど山形屋という会社を考える…

日本の都市とだいたい同緯度の世界の都市

地図を眺めていると、意外と日本の都市が北半球の中では南側にあることに気付いたのでメモ 日本の都市 緯度 だいたい同緯度の世界の都市 稚内 45.4°N ミラノ(イタリア)、ヴェネツィア(イタリア)、モントリオール(カナダ)、ポートランド(米国) 札幌 4…

中国EV関連メーカー整理(2026.05)

中国EV市場を見ていると、最初は「新興メーカーが雨後の筍のように出てきた市場」という印象が強かった。 しかし、2020年代半ばを過ぎると、景色はかなり変わってきた。 残っているのは、BYDのような垂直統合の巨大メーカー、CATLのような電池インフラ企業、…

アメリカと欧州は、なぜ反目するのか。日本人が見落としがちな「米欧の違い」

※本稿は2026年5月時点で確認できる公的資料、国際機関資料、主要報道等をもとに執筆しています。 日本ではよく「欧米では」「欧米型では」という言い方をする。だが、アメリカと欧州、特にEUは、実はかなり違う。 もちろん、米国とEUは同じ西側陣営に属して…

JNCAPとEuro NCAPは何を評価しているのか:安全評価の「目的関数」を読む

自動車の安全性を見るとき、JNCAPやEuro NCAPの星の数はよく参照されます。 どちらも新車の安全性能を評価する制度であり、車選びの参考になる指標です。 ただし、同じ「5つ星」でも、評価している安全の範囲や重視する項目は同じではありません。 この記事…

首都圏の「都心に近いけれど暮らしにくい街」はこれからどうなるのか

首都圏では長いあいだ、「都心に近いこと」が住まい選びの大きな価値だった。 新宿に出やすい。渋谷に出やすい。東京駅に出やすい。山手線や地下鉄に近い。23区内に住める。 これらは今でも強い。都心に近い場所の価値が、急になくなるとは思わない。 ただ、…

女性芸能人のキャリアパスを10の入口から眺める――属性から職能への接続

芸能人のキャリアは、「いま何者か」だけを見ても意外と分かりにくい。 子役出身、アイドル出身、モデル出身、声優出身、芸人出身というように、芸能人はしばしば「入口」で語られる。 ただ、長く活動していく過程では、その入口からどのような職能へ接続し…

リナ布教者Lv.3――2032年、アニメは見て、AIで派生させて、楽しむものになる

2032年。 Xはまだあった。 名前は何度か変わったし、UIも死ぬほど変わったし、課金しないと検索結果の奥の方が見えないとかいう謎仕様も増えた。けれど、俺たちは結局、まだXを見ていた。 おすすめ欄は、相変わらず人間の睡眠時間を削るのがうまい。 その日…

本当の平和教育とは――「戦争反対」で思考停止しないために

辺野古沖で、修学旅行中の高校生らを乗せた船が転覆した。 平和教育の一環だったという。 運輸安全委員会の公表情報によれば、事故は2026年3月16日、名護市辺野古埼付近の海上で発生した。転覆したのは「平和丸」と「不屈」の2隻。死者は2人。報道では、京都…

人が入れ替わるアイドルグループは、どうすれば続くのか

代謝型アイドルのライフサイクルについて 最初は、やはり「人」がグループを立ち上げる コンセプトは最初から完成していなくてもいい 次の世代は、困ってから入れても遅い 新メンバーは、入れただけでは育たない 卒業は避けられないが、意味は変えられる 卒…

ストーカーを強制的に止めることはできるのか——どの国も、まだ答えを持っていない

前書き 第一章 なぜ「禁止命令」は紙切れになるのか 第二章 世界の「先進的対策」は機能しているか 第三章 権威主義体制なら監視で防げるのか 第四章 「最後の手段」としての予防的拘禁という幻想 第五章 「逃げればいい」という残酷な発想 結論 前書き 3月2…

地上侵攻が来ない戦争でも、イランは親米化を避けられない

イランは長い年月をかけて、「首都を叩かれても戦争を続けられる国」を作ろうとしてきた。2月28日の米・イスラエル攻撃でアリ・ハメネイ師が死亡し、3月1日にイラン国営メディアもそれを確認したあと、外相アラグチは「Decentralized Mosaic Defense」という…

イランは本当に「地上軍が来るまで折れない」のか――日本は空爆と海上封鎖で降伏した

※2026年3月7日時点の公開報道を踏まえて書いています。 (Reuters) アメリカとイスラエルがイランに対する大規模な軍事行動を始めてから、ほぼ1週間が経った。トランプ大統領は「無条件降伏」を要求し、戦争はすでに中東全域を揺らす地域危機へと拡大している…

株式の所有と農機具の所有は本質的に同じ

はじめに 周りに言うと必ず数人はいる。「株?怖いからやってない」「なんか難しそうで」「損したらどうするの」。 気持ちはわかる。でも正直に言う。その「怖い」、意味がわからない。「稼げるのにもったいない」という話ではない。むしろ、人類の歴史を振…

立憲・共産・れいわ・社民はもう復活できないのか?——現実から目を背け続けた代償

2026年の衆院選の結果を見て、「ああ、やっぱりこうなったか」と思った人は少なくないはずだ。 中道改革連合(立憲と公明の合流体)は公示前167議席から49議席へ。共産党は4議席、れいわは1議席、社民に至っては0。左派ブロックがほぼ壊滅した。 もちろん選…

2026年2月衆院選で与党圧勝、参院では国民民主党と協力し、立憲民主党はますます先鋭化へ

はじめに:今回の「勝ち方」が国会の作法を変える 今回の総選挙後の国会は、単に「与党が勝った」ではなく、勝ち方そのものが国会運営の作法を規定する局面に入った。 衆院:与党が圧倒(=制度上は最終的に押し切れる) 参院:与党は過半数割れ(=しかし、…

地方自治じゃなくて地方人治になってないか?

地方で起きている「異常事態」に気づいているか? 地方で暮らしていると、妙な場面に出くわす。いや、「妙」というレベルじゃない。明らかに異常だ。 役所の職員が執務中に飲み物を飲んだだけでクレームが入る。昼休みに外で食事したら「税金で飯を食ってる…

イランの例に見る、正しさの国の持つ危(あやう)さ

2026年に入ってから、イランの抗議運動は一段と激しさを増し、当局の弾圧もまた苛烈さを増している。抗議は2025年12月末に始まり、経済状況への不満から政治体制そのものへの異議へと拡大したと報じられる。これに対し当局は、拘束の拡大や通信遮断など、強…

同じ反米左派なのに、なぜチャベスは愛され、マドゥロは米軍に拉致されたのか

2026年1月3日未明、米軍の特殊作戦でベネズエラのマドゥロ大統領が拘束され、ニューヨークの拘置所へ移送された。 トランプ大統領は「麻薬テロのボスを捕まえた」と勝利宣言。一夜にして独裁者は国外追放──衝撃のニュースだ。 でも、ふと疑問が湧く。 同じ「…

米国主導のベネズエラ石油再建で中国が得る意外な利益

ニコラス・マドゥロ逮捕という異例の展開と、米国によるベネズエラ石油産業への実質的関与。この出来事は「国際法」「主権侵害」という文脈で語られることが多いが、地政学的な視点から見れば、別の側面が浮かび上がる。 制裁解除と生産回復が実現した場合、…